空手の組手の基本技は刻み突きと逆突きであるとすでに説明しました。
まだ読んでない人はコチラの記事を読んで下さい→空手初心者が身につける組手の刻み突きと追い突きの上達する練習方法
刻み突きと逆突きを使うことで、空手の組手のコンビネーション技であるワンツーを身につけることができます。
今回はワンツーが上達する方法や練習方法をご紹介します。
空手の組手のワンツーはどんな技?
まずはワンツーという技についてしっかりと理解していきましょう。
刻み突き→逆突きと突く連続技です。
間合いの外から前足を踏み込み刻み突きを放ちます。その後、さらに相手に向かって前足で再度踏み込み逆突きを放ちます。
この場合、ステップは二回行うことに注意して下さい。バンッ!バンッ!と二回踏み込み音が聞こえるはずです。
ワンツーのメリット
相手を追い込むことが出来る
ワンツーは刻み突きや逆突きの単発技と違って、二本の突きで1つの技です。一本目で相手が後ろに下がっても、二本目の逆突きで相手を追い込むことができます。
下がる相手には相性が良い技です。
間合いの外から技を打つことが出来る
ワンツーは踏み込みを二回行うので、単発の技よりも間合いが広くなります。
間合いの取り合いで膠着状態が続く場面でも、間合いの外から一気に間合いを詰めてワンツーを出すことができます。
上段と中段に打ち分けられる
ワンで上段の刻み突きを打って、その後の逆突きは上段でも中段でも打ち分けることができます。上段→上段のワンツーでも上段→中段のワンツーでもどちらでも打つことができます。
特に上段→中段のワンツーは潜り込む形で逆突きが打たれるので、相手にとっては目の前から消えたような錯覚が起こります。
ワンツーのデメリット
技の間にカウンターを受けやすい
ワンツーの最大のデメリットはカウンターを受けやすいということです。一本目と二本目の技の間が無防備になりやすく、そこの間を狙って相手はカウンターを打ってきます。
体力の消耗が大きい
ワンツーは踏み込みを二回行うので、一度の技で二回分の体力を消耗します。運動量に自信がある中学生や高校生であれば、ワンツーの体力の消耗が問題になることはありませんが、組手慣れしていない社会人の方がワンツーを使えば、組手試合の後半でバテてしまいます。
ワンツーの多様は控え、ココぞという場面で使うようにしましょう
ワンツーの上達する方法
ワンツーの技の特性やメリットとデメリットについて理解できたと思います。そこでワンツーのコツと上達する練習方法をご紹介します。
ワンツーのコツは体重移動を意識する
ワンツーは突きのスピードが大切です。ワンツーの弱点でも説明したように、一本目と二本目の間にカウンターを貰いやすいという技の性質があります。
ワンツーのコツは、体重移動です。
刻み突き→逆突きと技を出す中で、体の重心が常に前に前に動いていることを意識しましょう。体の重心は下腹部あたりにあります。その重心が前へ押し出されるようなイメージを持って技を出しましょう。
重心が動いていることが、ワンツーの推進力となって伸びのある技になるのです。
刻み突きをしっかりと踏み込むことができれば上の画像のように、二本目は体を相手にぶつけながら突くことができます。
一本目の刻み突きの踏み込みを大きくする
ワンツーの推進力は体重移動であることを説明しました。
体重移動をスムーズにするために、一本目の刻み突きの踏み込みを前方に大きく出しましょう。大きく前に踏み込むことで、体を前に出す推進力を得られ、二本目の逆突きに伸びが生まれます。
逆に一本目の刻み突きで踏み込みが小さかったり遅かったりすると、前に出る力が弱くなり二本目の逆突きが遅くなったり手突きの状態になってしまいます。
二本目の逆突きは体重移動と腰のキレで踏み込む
ワンツーは二回踏み込むと説明しましたが、意識的に踏み込む必要はありません。
一本目の刻み突きの際に、大きく踏み込むことができれば慣性の法則で前へ進む力が残っているはずです。その力を利用して腰をスパッと切ることで二本目の踏み込みが行われます。それと同時に突きをだせばスムーズに逆突きが行われワンツーのツーが完成します。
二本目を突こうという意識を持ってしまうと、突きが曲がったり力が入ってしまいます。
突くという意識ではなく、前に出る完成を利用して腰を切ることが大切です。
引き手を引ききらず、二本同時に技を出すイメージを持つ
ワンツーの最大の弱点は、ワンとツーの間です。この間を狙って、相手はカウンターを狙ってきます。
ワンツーの弱点対策の方法としては、突き技を早く出してスキマを無くすことが考えられますが、カウンターを狙っている相手にとってはあまり有効ではありません。
そこで、ワンツーのカウンター対策として一本目の突きを残しておくことをオススメします。一本目の刻み突きでついた手が二本目の逆突きの引き手になりますが、このとき引き手を引ききらないようにすることです。
これによって、相手の正面に常に拳がある状態なのでカウンターを出しにくくする効果があります。さらに、相手のカウンターを裁くことにも使えうので一石二鳥です。
引き手を体の正面に残したまま逆突きを行うことになるので、逆突きを突く際は体を十分に使うことに注意しましょう。
刻み突き→逆突きと技を一本づつ出さずに、2つの技を同時に出すイメージで練習しましょう。ワンツーの際に両手を伸ばすようにしましょう。
上級者は片足でワンツーを練習する
荒賀龍太郎選手がワンツーについて解説しているコチラの動画を見て下さい。
刻み突きに全体重をしっかりと乗せて技を出せば、その慣性力を使えば片足で二本目の逆突きを出すことができます。片足のワンツーは踏み込みが早くなるので、一本目と二本目の間がほとんどなくなり、カウンターの心配もありません。
ワンツーを応用した技を紹介
ワンツーは二本突きで終わるだけでなく、たくさんの技に展開できる汎用性の高い技です。ワンツーを応用した技をご紹介します。
フェイント→逆突き
一本目の刻み突きをフェイントに使うパターンです。篠原浩人選手が得意とするワンツーの応用技です。
一本目の刻み突きで相手の前拳を落としたり、相手の目の前に出してフェイントに使います。
二本目の逆突きは前傾気味にして放ち、しっかりと突きを極めます。踏み込みを二度行うので、かなり遠い間合いから技を出し始めることができるのがメリットです。二本目をしっかりと決めることが重要になってきます。
ワンツースリーの三本突き
ワンツーを突き終わった後に更にもう一本突くことで、ワンツースリーの三本突きを行うことができます。この時三本目は後ろ足を前に踏み出しながら突く形になります。
三本目を突くことでさらに相手を追い込むことが出来るので、後ろに下がった相手や間合いが遠い相手にとって有効です。
ワンツーの得意な選手
ラファエル・アガイエフ
まとめ
いかがだったでしょうか?
組手でよく使われる技として「ワンツー」をご紹介してきました。ワンツーは刻み突きと逆突きを組み合わせた連続技です。二歩踏み込むので遠い間合いから技を出すことができます。
ワンツーは応用が効く汎用性の高い技です。空手の組手の大会に出場する選手にとって心強い技をなるので、ぜひマスターしましょう。
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