大人ですが、空手がうまくなりたいので上達方法を教えて。
今からでも強くなれるのでしょうか?
この記事ではこのようなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 大人に向けた空手が上達する方法
- 大人は約束組手を練習すれば強くなる
こんな方におすすめ
- 空手を習っている大人の方
- 強くなることをあきらめたくない大人
強くなりたいと願う!
空手を習う理由はただ1つ
「強くなりたい!」
そうです!空手を習っている人はだれでも「強くなりたい!」と思っているはず。強さへのあこがれが空手を習う原動力であり、そのために毎日の空手の練習をしています。
そこで質問です!
空手の練習をしていて本当に強くなっている実感持てていますか?相手が攻撃してきたら、ちゃんと反応することができますか?
この質問にドキッ!としたあなたは、この記事がとても参考になるはずです。
あなたが通っている空手道場では、子供から大人まで同じ練習をしていませんか?
全員でその場基本をやって、全員で移動基本をやって、全員で型をやって。
そんな練習をしていますよね?
ハッキリいいます!
その練習方法では強くなることはできません!
このように道場内で全員と同じ練習メニューで練習していても大人のあなたは空手が強くなることはできません。
中学生や高校生のような若い世代は体力もスピードあるので、バンバンとたくさん練習できます。一方で体力の衰え始める大人は、体が無理のない範囲で空手の練習をします。
そこで、空手を習っている大人が空手で強くなるための効果的な練習方法をご紹介します。
まずは、結論。
空手で強くなるために大人がするべき練習方法は「約束組手」です。
約束組手をただひたすらに練習すれば、攻撃も受けの両方が同時にレベルアップします。
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一体なぜ約束組手をすれば空手が強くなるのか気になった方は、詳しく読んで下さい。
空手の道場で行う一般的な練習方法とは?
まずは一般的な空手の練習とその目的を確認します。
その場での基本練習
稽古が始まってはじめに行う練習は「その場基本」ですよね?
騎馬立ちで中段突き、四股立ちで中段突き、ナイハンチン立ちで中段突き、三戦立ちで中段突きなど流派によって様々です。いずれにせよその場突きは空手では切っても切れない重要な基本動作です。
その場基本の練習の目的は正確な動きの確認です。コースと姿勢と呼吸と立ち方など空手の基本動作を正しくできているか確認することです。
しかしこの「正確な突き」がかなり難しい。
まっすぐ突いているつもりでも、体に力が入っていたり、突きが曲がっていたり、余計な力が入っていたり、自分のクセが出ていたりとかなり難しい。
正しい突きを体に染み込ませるためにもその場基本は大切です。
関連記事:空手の突きは背中の筋肉を使うこと。肩の力を抜くとまっすぐ突けます
その他に、前蹴りにしても、1,2,3のリズムで突くのではなく、足をフワッと地面から浮かせて蹴ることを体に身に着ける必要があります。
その場基本で練習する代表的な技
- 中段突き
- 連突き
- 前蹴り
- 下段払い
- 上げ受けなど
移動基本
移動基本は前屈立ちで移動しながら追い突き、逆突き、前蹴り、回し蹴り、受けを行います。
移動基本で行う代表的な技
- 追い突き
- 逆突き
- 前蹴り/回し蹴り
- 下段払い/上げ受け/手刀受けなど
移動基本では、足の運び方と腰の使い方を学ぶとともに、空手に必要な下半身の筋肉を鍛えることが出来ます。正しい姿勢を維持するためにはやはり最低限の筋肉が必要です。
移動基本で素早く動くコツはつま先ということはこちらの記事で説明しているので、参考にしてください。
移動基本は空手の練習でも一番キツイ練習です。
腰を深く落とした状態を維持して、前進と後進を繰り返します。腰を落としているので、常に中腰状態なので太ももがパンパンになってしまいます。10回の移動基本をするだけでかなり息が上がるハズ。
先程も説明しましたが、この移動基本で空手に必要な筋肉と動きを養うことができます。
移動基本で息が上がってしまう人は、筋力不足と力みが原因です。特に、空手歴の浅い人は移動基本をする際に前進に力を入れすぎてしまっていることが多いです。移動基本さえしっかりと行えば、空手には筋トレは必要ありません。
関連記事:空手に筋肉は必要なのか?筋トレをせずに強くなる練習方法
打ち込み等の組手の練習
基本練習が終わると、組手の練習が始まります。
拳サポーターをつけて、相手に向かって刻み突きや逆突き、コンビネーションなどを打ち込みます。相手への攻撃の仕方、間合いのとり方を学ぶことが出来ます。
刻み突き、逆突きなどの基本技やワンツー、コンビネーションなどの連続技も練習します。組手形式の練習を取り入れている道場もあると思います。
打ち込み練習の他にミット打ちも行います。ミット打ちは寸止め空手の練習方法の中で唯一技を当てる練習です。
ミット打ちをすることで、力の入れ方や体の使い方を学ぶことができます。
組手練習に最適なマススパーリング
私の道場では、マススパーリングを取り入れています。マススパーリングとは力とスピードを抜いた実戦形式の組手の練習方法です。組手の練習は相手が攻めてこないという状態で練習しているので、実践とかなり乖離があります。そこで、相手も攻めてきたり動いた状態に慣れる必要があるのでマススパーリングを取り入れました。
ルールは、1分間の自由組手です。ただし、力とスピードは半分で行います。簡単に思うかもしれませんが、かなり難しく実践感覚が養われます。ぜひ挑戦してみてください。
型
昇級試験や大会が近くなってくると型の練習が始まります。
平安等の基本型に加えて、有段者が行う難しい型など多くの型を学びます。型の練習では、技の正確な動きと体の使い方、機敏な動作を学ぶことが出来ます。
関連記事:空手の四大流派って何?流派の特徴は?
大人が組手の練習で強くなれない理由とは?
この記事の冒頭で、大人が強くなるための練習方法は約束組手だと説明しました。
なぜ、大人が組手の練習だけを行っていても、強くなることはできないのでしょうか?その理由について説明します。
理由その1:大人は相手のスピードに追いつけない
空手の組手のスピードはとても早いです。
どれくらい早いかというと、相手の動きが見えないくらい。一流選手になると、0.2秒の間で相手の拳が飛んでくるので、目で追うことは出来ません。
中学生や高校生と練習しても、そのスピードの圧倒されることもあります。大人がスピード勝負では勝つことはかなり難しいです。
筋肉量が徐々に落ち始めている大人たちにとって、空手のスピードには絶対に追いつけないのです。
関連記事:空手で刻み突きの間合いを10センチ伸ばす具体的な突き方と練習方法
関連記事:空手で受けられない突きはどうするの?突きのタイミングは?練習方法は?
理由その2:大人はフットワークが出来ない
大人の空手の組手の試合を見ていると、ほとんどの選手はフットワークを使っていません。
ピョンピョンとリズムを取るのではなく、足の裏の殆どを床につけてすり足で構えている方が多いことに気が付きます。
人間30代にもなると余分な肉も付き始め、どんどん体が重く感じるようになります。そんな状態では華麗なフットワークを使うことが出来ません。
すり足を使った戦法は、後の先が目的です。
相手に先に技を出させて、それに対してカウンターを狙います。
フットワークが出来ない彼らにとって、カウンターなんて高等技術すぎます。
関連記事:空手の組手で勝つために 身につけるべきカウンターの種類と練習方法
理由その3:大人は試合に出ることが目的ではない
子供は空手をたくさん練習して、大会に出て勝ちたいと思って空手を習っています。一方、大人は空手を習う理由は人によって様々です。
大人が空手を習う理由
- 運動不足の解消のため
- ダイエットで痩せた体を手に入れる
- ブルース・リーやアンディ・フグなどのヒーローに憧れて
- 強くなりたい!ただ強くなりたい!
しかし、多くの空手道場は大会で勝つことを目的に練習しています。
大人が強くなるための練習方法は、「約束組手」
スピードもフットワークもない大人たちが強くなるためのベストの練習方法は約束組手です。
約束組手とは、相手の決められた攻撃に対して受けと攻撃をする練習方法のことです。
約束組手は昇級試験の試験項目となっているので、試験前しか練習しない場合もあるくらいマイナーな練習方法です。
しかし、そんなマイナーな練習である約束組手が空手を習う大人にとって一番良い練習方法である理由についてご説明します。
約束組手は一連の攻防の動きを身につく
実力がついていないと感じる方は、基本的な技は出来るのに相手がいると動けないと思っていますよね?
移動基本では追い突きや、逆突き、前蹴りはできるけど、相手がいると不思議と突きや蹴りが届かない。相手が攻めてくると上手く受けることができない。
一体なぜなのか?
これは、相手を置かずに空気に向かって練習をやっていることが原因。
相手がいないのでどこまで踏み込めばいいのか、極めのタイミングなどが分かりません。受け技もタイミング・体捌き。受ける部位など分からない。
基本練習ばかりで約束組手をやっていないと、間違った上げ受けの方法が身についてしまうこともあります。→空手の揚げ受けは上段突きを防げない。何の攻撃を受ける技なのか?
しかしこのような悩みは約束組手を練習すれば解消することができます。
約束組手は相手がいるので、攻撃する時の間合いの詰め方や極めのタイミングや攻撃を受けるポイントも調整する必要があります。
受けた後に攻撃をする場合もあります。
このように約束組手を行うことで、相手の攻撃に対しての一連の動きを身に着けながら、距離感や力の入れ方を実践的に学べます。
これによって、突きや受けが単発で終わることなく、受けた後の攻撃などスムーズに出来るようになります。
約束組手は応用した型の使い方が理解できる
型を練習しているとこんな疑問が出てきますよね?
「はたして、型をやっていて強くなるのか?」
ハッキリ言うと、型をそのままやっていても絶対に強くなりません。
型を実践に使うためには、型を応用することが必要です。
体の使い方を理解して、相手に対して応用できる頭の柔軟性が必要です。
これを学ぶためにも、約束組手は効果的です。
約束組手でとっさに体が反応するようになる
空手で強いという状態は、相手の攻撃に対してササッと身をさばいて相手を倒している状態です。
実は、ブルース・リーにだったりジャッキー・チェンはとっさに動いているわけではなく、相手の動きに併せて体がとっさに動いているだけなのです。
前蹴りがきたら、Aという受け方、Bという受け方、Cという受け方、Dという・・・と言うように、引き出しがたくさんあります。
[aside type="boader"]前蹴りに対する受け方
- 前蹴り→下段払い
- 前蹴り→すくい受け
- 前蹴り→間合いを詰めて突く
- 前蹴り→足を取って投げる
[/aside]
相手の攻撃に対して、受け方のバリエーションが多いのでどんな攻撃にも対応することが出来ます。
約束組手では、相手の決まった技に対しての攻防を学べるので、何度も繰り返し練習している中で、体が自然に反応できるようになります。
この練習方法は、合気道でも剣道でも同じです。相手に合わせて自然に体が動くようになれば、空手家として強くなったと言えます。
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練習に役に立つおすすめ動画
まとめ
いかがだったでしょうか?空手を習っている大人が強くなる空手の練習方法をご紹介しました。移動基本や打ち込みばかりやっていても空手は強くなりません。
約束組手を行って、空手の攻防のバリエーションを体に染み込ませることこそが、空手を強くなるための方法であることがわかったと思います。
実力が伸び悩んでいる方はぜひお試しください。
次は忘れがちな引き手と残心のとり方を学びましょう!
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