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新型コロナ対策はどうする?withコロナ時代の空手の練習方法

新型コロナウイルス対策で空手の練習もいろんな制限が出てきている。

日本空手協会からの練習のガイドラインが案内されているが、道場の練習で実際にできるかどうかのか検証してみた。

できるものは採用し、できないものはできない理由と代替案を提案する。

空手道場で練習の指導をしている皆さんは参考にしてみてほしい。

日本空手協会の稽古再開に関するガイドライン

日本空手協会は日本における空手の大きな団体であることは間違いない。
そんな日本空手協会から新型コロナウイルスの感染予防策としてガイドラインが案内された。
詳しくはリンクを貼るので見てほしい。

日本空手協会の稽古再開に関するガイドライン

ガイドラインについての評価と検証

稽古に参加できない人の条件について

1. 以下に該当する会員は稽古に参加できない

風邪の症状(熱、咳、くしゃみ、倦怠感)、その他新型コロナウィルス感染の可能性がある症状のでている方
同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる方
感染による重症化を引き起こしうる疾病をお持ちの方
過去14日以内に海外から帰国・入国した会員

日本空手協会からのガイドラインはこのように示されている。

風邪のような症状があったり、感染が疑われる人との接触者など現在進行系で新型コロナウイルスに感染している可能性が少しでもあれば練習に参加できない。

これは全くのその通り。

感染者を増やさないためにも、1%でも感染している可能性があればそれ以上の感染者を増やさないためでも有効だ。

除菌について

2. 道場・更衣室等の共用部分の清掃・除菌、ドアノブの消毒、床のモップ掛けの励行
*雑巾がけはウィルスの吸入の危険性がありますので当面控えて下さい。

俺の道場では更衣室がないので、生徒たちは道着に着替えた状態で道場にやってくる。

子どもたちは着替えに時間がかかるので、家から道着を着てきて、稽古が終わってそのまま変えるのは時短につながるので、このスタイルを採用している道場は多いと思う。

更衣室がないから、更衣室を除菌する必要がそもそもない。

次に、共用部分の除菌についてだが、空手道場の共用部分は主に、道場とトイレくらいだ。

練習後に道場を掃除するのは当たり前だし、トイレをきれいに使うのも当たり前だ。

ただ除菌となると話は別だ。広い道場すべてを除菌することは時間が足りないので、実際は人がよく触るドアノブに限られるだろう。

できる範囲で除菌をすべきだ。

稽古前の手足の消毒

3. 稽古前後の手指の消毒、消毒液の常備、手洗いの励行

俺の道場では消毒用のアルコールを準備した。

これによってアルコールを使って子どもたちがいつでも消毒することができるようになった。

手洗いについては、短い休憩時間に行うことはできないのでやっていないし、多くの道場でもできないはずだ。

換気について

4. 稽古場の換気

今は6月でこれからどんどん暑くなっていく。俺の道場ではエアコンが付いていないので、暑くなってくると窓は全開で練習をしている。

つまりMAXで換気状態だ。

エアコンが付いている道場はどうすればいいのか?答えはエアコン全開で窓も全開がだろう。エアコン効率は悪くなるが、このスタイルが日本全国のニュースタンダードになるだろう。

ソーシャルディスタンスの遵守

5. ソーシャルディスタンスの遵守

更衣室使用時を含めた稽古前後、稽古中の配列、集合、待機などの際に会員同士が一定の距離を保つ
稽古参加人数を制限し、時間割を調整する

ソーシャルディスタンスの目安はだいたい2メートル。これは両手を広げて、お互いの手が触れ合わない程度の感覚。

稽古中はこの間隔を確保することは容易だ。整列したり集合する場合は、意識する必要がある。

道場の面積に対して、生徒が多い場合は間隔を取ることは難しい。特に、自宅で空手道場を持っている人はこの距離は果たして確保できるのか?

稽古参加人数を制限したり、時間割を調整するとあるが、この対応は難しい。

なぜなら、人数制限をすれば、制限した分だけ練習のコマ数も増えるので、指導者の時間も角皮する必要がある。指導者の多くはそれぞれ別の仕事をしてその合間で空手の指導をしているので、時間の確保ができないからだ。

稽古参加人数を制限するくらいなら、ソーシャルディスタンスの間隔を2メートルから1.5メートルに縮小するなどの対応になるだろう。

稽古時のマスク使用

6. マスク着用の励行
*稽古前後及び必要と認められた場合の稽古時(熱中症、酸欠に注意)

俺もやってみたがマスクを付けた状態での空手はできない。なぜなら空手は気合を出すからだ。

空手と気合いは切っても切れない関係で、気合いがなければ空手にならない。

気合いには声をだす「有声気合い」と声を出さない「無声気合い」があるが、どちらもかなりの息を吐き出す。

マスクをしていれば、気合いでマスクが飛んでいってしまう。

気合いをださなければいいと思うかもしれないが、今まで当たり前に気合いを出していたのに急に気合いは出さなくてもいいと言っても体が反応しない。空手家は無意識レベルで気合いを出すので、気合いを出したくなくても勝手に気合いが出るものだ。

気合いを出さない突きはキメも出てこないので突きという代物ではなくなるし、空手の練習にもならない。

また、マスクをしたままだと練習にかなり苦しい。

よって、マスクを付けた状態での練習は不可能だ。

組手稽古対策

7. 組手の稽古におけるソーシャルディスタンス確保・飛沫防止の工夫
*原則として当面の間は組手稽古は中止とする。

今回の新型コロナウイルス対策として、最も重視すべき内容だこれだ。

俺の空手道場では組手練習をしばらく中止した。なぜなら組手は相手と接触しまくるからだ。寸止めだから相手には接触しないと思うかもしれないが、そんなことはなく、空手の組手は接触しまくりだ。

組手練習として中止した練習内容を紹介すると、

  • ミット打ち→ミットを介して接触がある
  • 対面練習→相手と接触がある
  • 打ち込み→相手と接触がある
  • 約束組手→相手と接触がある
  • マス組手→相手と接触がある

これらの練習ができなくなると、組手勘というものが見失われる可能性があるが、感染予防としては必要だ。

今後のメインの練習は次の通り。

  • 移動基本
  • シャドー組手

このあたりが中心だ。多くの空手道場では型の練習が中心になるだろう。

オススメしたい練習はシャドー組手だ。ちなみにシャドー組手という名前は、たった今、俺が命名した世界で唯一の名前だ。

この方法は、相手をイメージした状態でステップを踏み始める。そして、合図と同時に技を出すというシンプルなもの。

この練習で培われるものは、反射神経と相手をイメージする力だ。

しかしこれが意外と難しく、合図とともに攻撃が出ないのである。

また、合図のバリエーションとして

  • 1の合図で、刻み突き
  • 2の合図で、逆突き
  • 3の合図で、反転して刻み突き
  • 4の合図で、反転して逆突き

これらい用意することで、反射神経が鍛えられる。ぜひやってみてほしい。

ウィズコロナを覚悟して空手の練習を行うべし

これからの時代、新型コロナウイルスとの共存を人類は選択しかない。

感染症予防策として、俺達ができることは最大限する必要ある。

感染症に気をつけた状態で空手も身につけていくことができれば最高だし、俺たち空手家としても努力したい。

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