空手の型はどうすれば上達するのでしょうか?
道場で同じように練習していても、上達が早い人と上達が遅い人がいます。
今回は、空手の型がうまくなるためのコツをご紹介します。
型とは?
そもそも型とは何でしょうか?
型というのは、仮想敵に対しての攻防を行っています。
受けや突き全てに意味があります。
日本空手協会の中達也先生も言うように、
型の意味を理解して応用することで組手にも使うことができます。
つまり、型は相手がどうやって攻撃をしてきて、
その攻撃をどうやって受けて
どうやって反撃するかを考えることが大切です。
実は、型の上達が早い人は仮想敵を意識して練習しています。
空手の型が上達する方法
空手の型が上達する方法をご紹介します。
敵への目線で動きを制する
型をやっているときにどこを見ていますか?
型では敵がいることが前提なので、
その仮想敵をしっかりと見ることが大切です
前にいる敵からの攻撃なのか
横にいる敵からの攻撃なのか
しっかりを区別してください。
例えば、平安四段の左右への横蹴りの場面を考えます。
まず左からの的に対して横蹴りと猿臂を放ちます。
その背後からやってきた的に対して、
今度は右足で横蹴りと猿臂を放ちます。
最後に前からの敵の攻撃を手刀受けで捌き、
前蹴りと鉄槌でキメる。
というように、相手が三人いることが想定されています。
技を出すときには、しっかりと敵に目線を向けることが重要。
これを「目付け」といいます。
攻めてきた敵をしっかりと見て、
目で威嚇する。
これができれば、型が上達します。
回るときはかかとを軸にして、小さく回る
型では90°回って横を向いたり、
270°回ったりする場面が出てきます。
この回転するときに軸をしっかりと作らないと、
回りきれずにグラついてしまいます。
回転するときは軸足のかかとを軸にすると
スムーズに回転することができます。
回るときは体をすぼめて
小さくするとキレイに回ることができます。
フィギュアスケートのシーンで、
手を広げて回転している状態から
手を縮めると回転速度が早くなりますよね?
これは、回転モーメントと速度の関係です。
空手も同じように、回るときは小さくするとスピードが出ます。
技のカドをとって、緩急をつける
「技のカド」とは私が指導するときに使う言葉です。
技のカドとは、技と技のつなぎ目のことです。
さきほども説明したように、
型は仮想敵に対しての攻防であって、
移動基本の延長ではありません。
受けと突きがセットになって構成されています。
平安の型でよく使われる
「下段払い→追い突き」
という動作のばあい、2つの技をバラバラにやってはいけません。
敵がいた場合、技を受けてすぐに攻撃しないと相手から反撃が来ます。
受けと攻めの間が空いている状態を、
「技のカド」がある状態です。
この受けと攻めの間を短くすることができれば、
受けと攻めが一体になり型にメリハリが出てくるのです。
移動基本の場合は、一つ一つの技を練習するので、
しっかりとはっきりとした技を行うことが大切です。
型の場合は、受けと攻めが一体になって構成されているので
技のカドを削ぎ落とす必要があります。
どの技とどの技が繋がっていて、
どれが離れているのかを考えると、
緩急も生まれてきます。
無声の気合を意識して呼吸
空手の型では二箇所
「エイッ!」
と気合を出す動作があります。
それ以外の技は呼吸を出す必要はないのでしょうか?
空手の気合には
有声の気合と無声の気合の
二つがあります。
型で声を出す動作は「有声の気合」です。
その他の動作は全て「無声の気合」です。
この2つの気合の違いは声を出すか出さないかだけの違い。
無声の気合を使えば、
口から「ッシュ!」という呼吸音が出ます。
ボクサーがシャドーボクシングをしているときに
「ッシュ!ッシュ!」
と聞こえるのは、この無声の気合を出しているからです。
無声の気合を出せば、
力が入りやすくなるので、
技にキメを作ることができます。
型をするときは全ての動作に無声の気合を出しましょう。
まとめ
型の上達する方法をご紹介しました。
型は仮想敵に対しての攻防の組み合わせです。
相手の攻撃を想像することで型にメリハリが出てきます。
今回ご紹介した練習方法は、
- 敵への目線を考える
- 回るときはかかとを軸にして、小さく回る
- 技のカドをとって、緩急をつける
- 無声の気合を意識して呼吸
です。
これを意識するだけで、
技のキレとスピードが出てきます。
型がなかなか上達しないという人はぜひ参考にしてくださいね。
その他にオススメの練習方法があれば、
ぜひ教えてくださいね。