空手歴も10年を超えてくると黒帯はもちろん二段、三段とどんどんと昇段していきますよね。
昇段はするのは確かに嬉しいけど、こんな葛藤を持ってはいないでしょうか?
「このまま昇段していくのもいいけど、この先厳しい練習を耐えていけるのだろうか?」
社会人になってから空手をスタートした場合、大会に出て優勝することを目指すよりも空手を楽しむことをモチベーションにしている人も多いと思います。
そこで、黒帯取得後に目標が見えなくなった大人空手家におすすめする空手の楽しみ方をご紹介します。
体の使い方を考える
空手は武道です。武道とは、古来から日本に存在する日本独特の技術です。
武道とスポーツの違いは何なのか?
一つの大きな違いは体の使い方です。スポーツ選手に引退がある一方で、武道家には引退がありません。これは体の筋肉が関わってきています。
スポーツ選手は体力や筋力の衰えが引退を決定する一つの大きな要因です。武道家に引退がないのは、体力や筋力の衰えが技の出来不出来に関係ないからです。
つまり武道とは筋力を使わない動きを前提としていることが言えます。
武道という原点に立ち返って空手を考えると、体の動きを研究する楽しみを見出すことができます。
筋肉を使わない突きの方法。筋肉を使わない踏み込み。それでいてスピードは維持したまま。一見すると矛盾のように感じますが、武道的な体の使い方をすることでこの矛盾を解決することができます。
- 筋肉を使わない動きをするためにはどうすればいいのか?
- 武道的な動きとは何なのか?
- どんな効果があるのか?
こういったことを自分自身で試行錯誤することは自分の空手のレベルアップに繋がります。
型の意味を考える
型とは、仮想的に対しての攻防をパッケージ化したものだと以前に紹介しました。
空手の型の目的はコンボ技を身につけること。敵をイメージすれば型の練習だけで組手が強くなる
型の動きには一つ一つ意味があって、それを考えるのも楽しさの一つです。
空手有段者ともなってくれば、型の動きを一目見れば何をしているのかなんとなく想像できるようになっているはず。
しかし、一つの型の動きでも基本と応用と裏がある。(これは私自身の考えです。)
- 基本:見たままの動き(手刀受けを手刀受けと考える)
- 応用:実践で応用できるようにアレンジする(手刀受けを実践の場で使用できるようにする)
- 裏:同じ動きを使って別の技にする(手刀受けを相手の手を捕る動きに変化)
特に裏の動きを考える場合は、かなりの勉強と知識が必要だ。
この場合は中達也先生の動画が参考になるので、是非参考にしてほしい。
別の流派を学んでみる
別の流派を学ぶことは空手の楽しさを倍増させてくれる。
元々、空手は同じところから生まれたが、沖縄で発展したのか、本土で発展したのかなどによって様々な流派が生まれた。
その結果、同じ型でも動きが違ってくるようになった。同じ平安でも流派が違えば動きも解釈も変わってくる。
このような動きの違いが出てきた理由は、各流派の発展した背景の影響が大きい。
例えば、和道流は柔術の要素が入っているし、剛柔流は近い間合いを想定した攻防を基本としている。
このような各流派の背景を知って空手の動きを研究することも空手の楽しみ方の一つだ。
まとめ
今回は、昇段すること以外の空手の楽しみ方を紹介してきました。
空手の習いたて頃は、目指せ黒帯!と厳しい練習をしていたと思います。しかし、空手歴を重ねて黒帯を取得したあとは、目標を見失いがち。
大会に出場して優勝を目指すのも、三段、四段、五段と昇段し続けるのもなんか違う。
なんとなく空手へのモチベーションや目標を見失いがちになるマンネリ期に、空手のディープな楽しみ方をご紹介してきました。
- 体の使い方を考える
- 型の意味を考える
- 別の流派を知る
こういったことを考えるだけで、空手の楽しみ方は大きく広がります。
ぜひ参考にしてくださいね。