伝統空手には大きな2つの団体があります。
この2つの団体の大会のルールはとても似ていて、日本空手協会に所属する選手が全日本空手道連盟の試合に出場することもあります。
そこで、疑問になるのが2つの団体のルールの違いです。
知っているようで知らない2つの組手ルールの違いを解説します。
日本空手協会と全日本空手道連盟の組手ルールの違い
日本空手協会 | 全日本空手道連盟 | |
試合形式 | 一本勝負 | 8ポイント差 |
得点方式 |
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ペナルティ |
いずれも「警告」→「反則注意」→「反則」の三段階があり、「反則」で負けになる。 |
「忠告」→「警告」→「反則注意」→「反則」の四段階であり、「反則」で負けになる。 残り10秒での「場外」、「逃避」で反則注意になります。 |
防具 |
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審判の人数 |
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道具で見るルールの違い
スコアボード
こちらは日本空手協会の得点板です。
勝負、反則、場外、無防備があるのがわかります。
こちらは全日本空手道連盟の得点板。
C1はカテゴリー1、C2はカテゴリー2のことです。
拳サポーター
日本空手協会の拳サポーターです。
全日本空手道連盟の拳サポーターです。
試合の場合は、赤と青に分かれるので二種類が必要です。
日本空手協会の拳サポーターと比較すると、拳の部分が分厚いのがわかります。
両方の大会に出てみた感想
僕は日本空手協会と全日本空手道連盟の両方の大会に出場したことがあります。
実際に大会に出場してみて、そのリアルなルールの違いの感想をご紹介します。
間合いが20センチくらい違う
日本空手協会の試合は顔面に防具はありませんが、全日本空手道連盟の試合では、顔面にメンホーを使います。
また、拳サポーターは全日本空手道連盟の方が大きく分厚いです。
メンホーと分厚い拳サポーターによって間合いが20センチくらい変わってきます。
20センチは一足分です。
空手をやっている人にはわかると思いますが、これはとてつもなく大きな違いですよね。
え〜こんな遠いところから技を出すの!
と感じるはず。
協会の試合に慣れている人が連名の試合をすると、間合いがかなり近くなってしまいます。
一つ一つの技の重さが違う
どちらの空手もルールでは当てたらNGですが、日本空手協会の組手では、技がよくあたります。
実際かなり痛い(泣)
上段突きなんてほとんどが鼻血ブー。
全国大会は歯が折れる試合も結構あります。
(私も目の前で歯が折れた人を目撃しました)
これは日本空手協会が武道空手を目的なので、強力な技を有効打として認められるからです。
一方、全日本空手道連盟の試合は技が接触することはまったくありません。
東京オリンピックにも競技種目として採用されたので、ここ数年でかなりルールが変わってきています。
そのひとつに「技を当てない!」ということが進んでいます。
10年以上前は連盟の試合も結構当たっていましたが、最近はまったく接触しません。
少しでも当たると「過度な接触」ということで、カテゴリー1の反則になります。
協会の試合に慣れている人が連盟の試合に出場すると反則が多くなります。
「試合もこれでポイントが極まるの?」と、呆気に取られるはず。
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全日本空手道連盟の試合はスタミナが必要
全日本空手道連盟の試合は8ポイント差がつくか、試合時間が終了するかのどちらかです。
8ポイント差なので、8−1でも試合は終わりません。実際の試合では、試合で8ポイント差がつくことはほとんどないので、試合時間いっぱいまで試合をすることになります。
これはかなりスタミナが必要になります。
一方で日本空手協会の試合は一本勝負。
試合開始早々、回し蹴りが決まればそれで一本なので試合が終わります。
技有りも二つで一本になるので、連盟で言うところの2ポイントで試合終了。
協会の試合は数十秒で終わることがよくあります。
スタミナ勝負の全日本空手道連盟に対して短期決戦の日本空手協会です。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
日本空手協会と全日本空手道連盟の組手の試合の違いをご紹介してきました。
僕は協会と連盟のどちらの大会にも出場したことがあるので、実際に試合をしてみたリアルな感想をお伝えすることができます。
違う団体の大会に出場する時は参考にしてみてくださいね。
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