空手の基礎練習で必ず行うのが「その場突き」です。
その場突きは、たった状態で中段めがけて正拳を突くだけなのに、やってみると実はかなり難しい。体が曲がってしまったり、極めが弱かったりと満足できる突きはなかなか出せません。
黒帯の有段者やベテランの選手はの突きはまっすぐきれいなのに対して、何故か自分の突きはぎこちないし、極めも弱い。
しまいには、「肩が上がっている!」と先生から指摘を受けるハメに。自分では肩を上げているつもりはないんだけど。。。自分では意識していないのに、よく見てみるとたしかに肩が上がっている。
一体どうすればいいのでしょうか?
実は私も空手を初めて5年目までくらいは満足のいく突きを出すことができませんでした。
一生懸命に突いているつもりなのに、先生や師範に肩が上がっていると指摘ばかり受けていました。一体何が違うのでしょうか?
実は、筋肉の使い方が違っていました。
あるとき師範の突きを見ていると、突くたびに背中がすごく動いていることに気がつきました。私が突くときは全く動かないのに、とても不思議でした。
試しに真似をしてみると、最初はぎこちなかったけど、少しづつスムーズに突くことができるようになってのです。
背中の使い方にこそ突きを真っ直ぐに突くための秘密がありました。
もしもあなたが突きを正確にまっすぐ突きたいと思ったら、背中の使い方を意識すると格段に効果が上がります。
詳しく説明するのでまずは読んでみてください。
空手の突きで肩が上がる原因とデメリットは?
空手の突きをした時に、肩が上る人はいったいなぜ上がるのでしょうか?またそのデメリットは?
腕の力で突いている
肩が上る人は全員腕の力を使って突いています。
腕力を使って突きをすると必ず肩が上がります。
上手な人は腕の力はまったく使っていないので、腕の力は抜いてください。
引き手が弱い
引き手が弱いと、突いている方の肩が上がります。
突き手と引き手の力の配分は4:6で、引き手のほうが強いです。
肩が上がっている人は、突き手の方が強い場合がほとんど。
人体の構造上、腕を前に出すよりも引くほうが力が強くなります。
強く早く引くことが大切なので、引き手を意識しましょう。
当てた時に威力がなくなる
空手の練習では実際に当てることはしませんが、肩が上がっている状態の突きでは当てた時の威力がありません。
力学の法則で「作用・反作用の法則」があります。これは、力を加えると加えた側にも同じ力が加わるというもの。
100の力で突けば、腕に100の力が返ってきます。
強く突けば、それだけ体に返ってくる力が大きくなるので、その反作用の力に耐えることが必要です。
肩が上がっている状態で突けば、この100の力に耐えることができません。100の反力が肩にかかるので最悪肩を痛めることになります。
突きが遅く、予備動作も発生する
肩が上がる突きはスピードが出ないだけでなく、突く前の予備動作が生まれます。
相手にとって見切りやすい突きになります。
肩が上がらないようするためには?
肩を上げないように突くためにはどうすればいいのでしょうか?
僧帽筋の力を抜く
肩が上がっているのは、僧帽筋と呼ばれる首の後ろにある筋肉が張っているからです。
この筋肉を使いすぎると肩こりの原因にもなります。
この筋肉の力を抜いてください。
広背筋を使う
僧帽筋の力を力を抜く代わりに下の絵の広背筋を使います。
広背筋とは、ちょうど脇の下にある筋肉です。
脇を閉めるように突きを出せば、広背筋を使った突きになります。
広背筋を意識すれば、肩が上がる原因の僧帽筋の張りを無くすことができます。
ブルース・リーはこの筋肉が特に発達しています。本物の武道家はこの広背筋を使っていることがよくわかります。
ブルース・リーくらいに鍛えることは難しいですが、この広背筋を意識するだけで突きはかなり変わってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
空手の突きで肩が上がる原因とその対処方法をご説明しました。
突きを早く強く突こうと思うとどうしても肩が上がってしまいますが、本物の突きは肩を上げずに背中の広背筋を使うことです。
空手を上達させたいと思っている人は広背筋を意識して突くようにしてくださいね。