空手でその場基本や移動基本のように、相手をつけないで練習をする時は何を考えていますか?
先生たちからは「正確に突きなさい!」と言われていると思いますが、練習をする時に何を意識してどのように正確にしていますか?
今回は、空手の実力者たちが練習の時に考えていることをご紹介。
実力が伸び悩んでいる方は参考にしてください。
空手の有段者が練習の時に考えていることとは?
力を入れないこと
力強い突きや蹴りを出そうと思ったら、グッと力を入れたくなると思いますが、空手の有段者は違います。
もちろん技が決まる一瞬だけは力を入れますが、力強い技を出すためには力を抜く必要があります。
重いものを持つときや、立ち上がる時、ペットボトルのキャップを開けるときなど日常生活で力を入れる場面はたくさんあります。
力を入れることは意識せずに出来るはずです。
逆に、力を抜く場面は一体どれくらいあるのでしょうか?
・・・
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ありませんよね。
力を抜くことは、とても難しいです。
意識的にやらないと、力は抜けません。
空手の有段者は練習の時は、力を抜くことを考えています。
日常生活と反対の動きをする
空手で強いということは、「相手よりも早く動けるということ」です。
相手よりも早く動くためには、どうすればいいのでしょうか?
単純に筋力トレーニングをすればスピードアップが上がるとは思いませんよね。
逆転の発想で、「早く動く」ということではなく「早く動いているように見せかける」ことを意識しましょう。
早く動いているように見せかけるためには、予備動作がなくなればいいのです。
160キロを投げる大谷投手の直球を打つことが出来るのは、投球モーションがあるからです。
モーションがないバズーカーのような筒から突然ボールが飛び出てくれば、打つことは出来ないはずです。
空手でも早く動くためには予備動作を無くすことが大切
予備動作を無くすための最善の方法は日常生活と逆の動きをすることです。
肩が上がれば手が伸びるし、カカトがあがれば足が動く。
これのような動作を逆にします。
肩を下げて手を伸ばす。カカトを下げて足を動かす。
こうやって動くことで相手に予備動作を察知されることなく技を出すことが出来ます。
その他にも、右手を前に出して左手で突いたり、右手と右足を一緒に動かして前に進むなど、通常とは反対の動きをする事があります。
空手の有段者は日常生活と同じ体の使い方はせずに、それとは違った体の使い方を意識して練習しています。
ゆっくり動くこと
特に移動基本で意識することに「ゆっくり動く」ということがあります。
移動基本は、相手に向かって勢い良く前に出て技を出すことが大切ですが、ゆっくり動くということは一体どういう意味でしょうか?
ゆっくり動くということは、頭の高さも目線も変えないで、同じスピードで技の最初から最後まで動くことです。
ゆっくり動くことで足腰の鍛錬にもつながるし、体幹を意識しながら技を出すことが出来ます。
移動基本でゆっくり動くとわかると思うのですが、一瞬早く動く瞬間があると思います。
早く動くところは苦手なところなのです。
元プロゴルファーの宮里藍もゆっくり動くことで、苦手な部分を無くすことの大切さを知っています。
重心を素早く移動させること
世の中は全て物理法則に則っています。
重いものと軽いものが同じスピードで衝突すれば重い物が勝つし、同じ重さのものであればスピードが早いほうが勝ちます。
空手で強い技を出すためには、体の重心を素早く移動させることが大切。
この時に、移動する距離は関係ありません。
技をキメた瞬間のスピードが重要です。
人間の重心はどこにあるかと言えば、丹田と呼ばれる下腹部のあたりです。
空手で頻繁に使う腰の近くです。
この腰の近くにある重心を、素早く動かすことを意識しています。
引き手と腰を素早く、強く回転させること
技を出す時に引き手について考えていますか?
実は空手において引き手は極めて重要。
突いている手よりも大事です。
例えば、左手を気をつけのように体に密着させたまま右手で突いてみてください。
きっと体のバランスを崩して、上手く突くことが出来ないはず。
引き手は体のバランスを保つ役割の他に、キメを生み出すための重要な役割を持っています。
引き手の位置を変えるだけで、技の切れ味や力強さが変わってきます。
腰も同じです。
腰を回転させることで技に推進力が生み出されます。
物理的にも運動エネルギーの他に回転エネルギーというものがあります。
角速度と呼ばれる回転する早さが早いほうがエネルギーが大きくなります。
引き手と腰を早く回転させることで、体全体のエネルギーが大きくなるので、力強い技になります。
相手を想像して練習をする
空手の練習をしている時、相手をイメージしていますか?
空手の練習は空気に向かって突きや蹴りをすることがかなり多い。
その場突きにしても、移動基本にしても。
その時に、何も考えずに練習をするのではなく、相手が自分の正面にいるようにイメージをすることが大切。
イメージするのは自分と体型が同じ人間です。
中段を突くときも上段を蹴るときも、自分のサイズの相手を想定して技を練習すること。
どうやってイメージするか分からないという方は、鏡の前で練習してください。
そうすれば、簡単に相手を目の前にした練習ができます。
イメージをすることで、距離感と力の入れるタイミングを学ぶことが出来るのです。
そうやって練習を続けていくうちに、相手をイメージしない人と大きな差が生まれます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
同じ練習をしていても、空手の有段者はいろんなことを考えて練習をしています。
特に、空手は物理法則に則って成り立っているので、物理法則を理解することは空手の実力アップの近道かもしれません。
重心移動による運動エネルギーと引き手と腰による回転エネルギーを意識することが大切です。
実力が伸び悩んでいる方は参考にしてくださいね。