空手道場の収入源は?
生徒からの月謝
空手道場の主な収入源は生徒からの月謝です。
石川県内の空手教室の月謝は3,000円〜4,000円。
練習回数は週に2〜3日。
兄弟で入会すれば、二人目から500円引きという兄弟割引制度も用意している道場もあります。
協会と連盟では、協会系の道場の方が高い傾向にあります。
昇級試験の受講費
これは協会に限った収入です。
協会系の空手道場では、年に4回の昇級試験を道場主催で開催しています。
試験を受けるためには、受験費用が必要です。
受験料は受験する級に応じて3,000円〜5,000円の範囲です。
しかし、協会系の空手道場はこの昇級試験の実施について金銭トラブルが多発しています。収支報告書などがあれば、保護者も安心しますね。
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空手道場の支出は?
本部への納入金
石川県の空手道場の大半は日本空手協会か全日本空手道連盟に所属しています。
所属料として毎月それぞれの本部へお金を納めています。
固定の納入金が1万円程。
その他、生徒1人に応じて500円程度を本部に収めています。
また、昇級試験を行った際にも受験費用の一部を本部へ収めています。
一人あたり1,500円くらいだと思います。
道具類
空手の練習にはミットやチューブなど道具を使います。
大会に出場する場合は、拳サポやプロテクター、メンホーを使います。
これらの道具類の購入は各道場が用意しています。
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大会参加費
大会に参加するために、参加費や協賛金が必要です。
石川県大会や北信越大会、市民大会など年間で4回ほどの大会があります。
道場が大会に参加するための参加費が10,000円。
生徒が大会に出場するために申込み費用が1,000円。
指導者達は、子供たちにたくさんの大会に出てほしいと考えているので、大会エントリーのハードルを下げるために、申込み費用の1,000円を道場が負担しているところもあります。
大会遠征費や宿泊費
空手の大会は石川県内のだけで開催されるわけではありません。
北信越大会は石川・富山・福井・新潟・長野のいずれかの県で開催され、全国大会の場合は東京で開催されます。
県本部からの助成もある場合もありますが、基本的に遠征費や宿泊費は道場の自己負担です。
道場の負担金額が大きくなってくるため、指導者は選手に一部負担をお願いします。
新年会や忘年会などの道場イベント
子供たちがたくさんいるので、道場によっては道場イベントを実施します。
イベントを盛り上げるためにお菓子やジュースやプレゼントを用意します。
そのための準備費用も道場が負担します。
審判講習会や会議などの本部イベント
大会を行う前には、審判講習会が開催されます。
その他、年度末にホテル金沢で実施されている総会もあります。
これらの参加費も各道場の負担になります。
大会に手伝ってくれた方の謝礼や指導者の指導料
空手の大会は生徒の保護者たちで成り立っています。
試合ときに選手を呼び出す「呼出し係」や得点を掲示する「コート係」、駐車場で案内する「駐車場係」などがあります。
これらに手伝ってくれた保護者に1000円程度の謝礼を渡す指導者もいます。
その他、指導者自身の指導料を毎月支払っている道場もあります。
こればかりは、黒字経営が出来ている道場によります。
空手道場の運営状況
毎月の損益シミュレーション
石川県の平均的な規模の空手道場(生徒数20人)で、損益をシミュレーションしてみます。
収入 | 月謝 | 60,000円 | 20人×3,000円 |
昇級審査 | 20,000円 | 20人×3,000円×4回/年÷12ヶ月 | |
支出 | 本部 | 10,000円 | |
本部 | 10,000円 | 500円×20人 | |
昇級試験 | 8,000円 | 20人×1,500円×4回÷12ヶ月 | |
道具類 | 3,000円 | 道具はあまり買うことはありません | |
大会参加費 | 3,333円 | 10,000円×4回÷12ヶ月 | |
大会申込費 | 3,333円 | 10人×1,000円×4回÷12ヶ月 | |
大会遠征費 | − | 全国レベルの選手がいないため | |
道場イベント | 833円 | 5,000円×2回÷12ヶ月 | |
本部イベント | 1,666円 | 年間20,000円÷12ヶ月 | |
保護者への謝礼 | 1,000円 | 3人×1,000円×4回÷12ヶ月 |
- 収入合計:約80,000円
- 支出合計:約42,000円
毎月の黒字額は38,000円という結果になりました。
生徒数が20人確保できれば、指導者は指導料を捻出することが出来ます。
ほとんどの道場は赤字
あくまでもこれは石川県内の平均規模の空手道場を考えています。
しかしながら、小松エリアや能登エリア等の場合、生徒数を20人確保することが出来るのでしょうか。
上のシミュレーションだと、損益の損益分岐点は8人です。
8人以上の空手道場であれば、赤字になることはありませんがかなりカツカツ。
それに、家計でもそうですがシミュレーションと実際はかなり異なってきます。
通信費や備品代、移動時のガソリン代など目に見えない支出も馬鹿にできません。
シミュレーション上は上手く行っていても、蓋を開けてみると赤字ということもあります。
赤字解消方法のご提案
生徒の確保
まずは何と言っても生徒を確保することが大切です。
しかしながら、積極的に生徒勧誘を行っている道場は皆無です。
石川県の空手道場でWEBサイトを持っている道場はほとんどありません。
生徒勧誘のためにチラシを作ったり、広報活動もありません。
結局は道場運営者は趣味の延長線上で考えているし、そのような事を行う時間もありません。
自分ができないのであれば保護者の出来る方にお願いするなどして、露出を増やすことが生徒確保の第一歩です。
会計を正確に行う
会計を正確に行う!というのは簡単ですが、実際に行っている道場はありません。
自分がいくら使って、いくら収入があったのか。
これをチェックするだけで、道場運営の無駄が見えてきます。
でも、実際に会計をつけるって面倒くさいですよね。
タオルやTシャツなどの物販
ココまで出来る道場経営者であれば、もはや別の才能があります。
道場オリジナルのTシャツやタオルを作って、道場の生徒の買ってもらう。
生徒たちの連帯感も高まるし、道場の収入にもなります。
極真系の空手道場がみんな同じTシャツを着ていますが、これも大切な道場の収入確保の方法です。
連盟系、協会系の空手道場も見習う部分も多くあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
指導者達は空手道場はボランティアだ!と考える方が多くいます。
しかし、ボランティア精神でやっていては指導者本人の生活を圧迫し人間関係を悪くします。
その結果、日本空手協会の石川県本部のように金銭トラブルや派閥争いに発展したと思います。
適切な収入と支出があって正しい道場運営が出来ると思っています。
お金は人を変える力を持っています。
実際に多くの指導者がポケットマネーの捻出をしています。
上手くお金を使っていけば、選手の空手レベルの向上にもつながることでしょう。
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